たまには仕事以外の話をしよう。#4〜ITチームみともりがF1への愛を叫ぶ〜
こんにちは。ビザスクの社内ITを担当しているITチーム所属の水戸守です。
コロナ禍でおうち時間が増え「最近メリハリがないな...」と思っていませんか?そんなあなたにおすすめなのがF1です。簡単におすすめポイントを挙げるならば、
・適度な周期(2、3週間に一回)
・忙しい人は決勝だけでOK(2時間弱)
・モータスポーツとして最高峰のクオリティ
「F1?セナとかシューマッハくらいしか知らないな」
そんなあなたも大丈夫です。F1ファンの私が、F1の流れと見どころと魅力を簡単にご紹介しますので、きっとこれを読み終わった後はF1が見たくなっているはずです。
0. 前準備
その前に大事なことがあります。
実は、日本でのF1中継は現在すべて有料放送となっています。
ということで以下のどちらかを契約しましょう。
1.フジテレビNext (CS) 1,320円/月
2.DAZN (オンラインストリーミング) 1,950円/月
DAZNの方が高いですが、F1マシンがコース上のどこを走行しているかが分かるトラックデータや、車載カメラの映像、リアルタイムなラップタイム・セクタータイムなどを表示することができます。つまり、より多くのデータをインプットしながらF1を楽しめるのです。
安定したインターネット回線があればDAZNのほうが断然おすすめなんですが、もし小さなお子さんがいる方の場合はフジテレビNextのほうがいいかもしれません。
決勝スタート直前に子どもが起きてしまったりすると一番いいタイミングを見逃してしまうことになるので、そういった場合に録画を追っかけ再生できるという利点があります。
1. 木曜日
さて、レースウィークの話に入りましょう。
といってもこの日はF1中継はありません。木曜日は、サーキットではすでに現地入りしているドライバーへの記者会見が行われます。
記者達が様々な質問を投げかけ、まだリラックスモードのドライバー達が談笑しながら受け応えます。そんな中に時折ピリッとした緊張感も混ざり、週末に向けての意気込みが感じられる、そんな日です。
ここでレースウィークの基本的なスケジュールを説明しますと、各グランプリは基本的に金土日の3日間で開催され、以下のセッションで構成されています。
金曜日:フリー走行1・フリー走行2
土曜日:フリー走行3・予選
日曜日:決勝
※フリー走行とは練習走行のこと。予選・決勝に向けて様々な準備を行う。
2. 金曜日
この日からテレビ中継が始まります。現地の午前中にフリー走行1、午後にフリー走行2というスケジュールです。
初日は各チームいきなり全開走行をすることはせず、マシンの様子を見ながら様々なデータを収集していきます。身も蓋もない言い方をするとあんまり盛り上がりません。
でもこの日は仕事は速めに切り上げましょう。
解説の人の蘊蓄を聞きながら、ビールを片手にのんびりと中継を眺め、そんな時間を過ごして一週間の疲れを癒すのもたまにはいいですよ。
もちろん仕事で見られないこともあるのですが、そういう時はニュースサイトにアップされている結果と、YoutubeのF1公式のハイライトを見るだけでも十分です。
↑鈴鹿サーキットの1コーナー・2コーナー。このコーナーで数々のドラマが生まれた。
3. 土曜日
午前中に行われるフリー走行3は予選のために全開走行を行うチームが多く、この時のタイムは予選・決勝を通してチームの序列として表れることが多いです。
そして現地時間の午後には予選が行われ、その結果によって決勝スタート時の順番が決まります。スタート位置は先頭のマシンから最後尾までは100m近く差があるので、当然ですが先頭が圧倒的に有利です。
予選は、タイムが遅いマシンから予選順位が確定していくというノックアウト方式で実施され、Q1/Q2/Q3という3段階で行われます。Q1とQ2でタイムが遅い5台ずつがノックアウトされ、最後のQ3で上位10台が決まるという方式です。近年は予選タイムが非常に僅差になることが多く、トップチームでもQ1ノックアウトとなることもあり、最初から目が離せない時間が続きます。
予選Q3の最後の数分間は土曜日のクライマックスです。マシンが最終アタックを終え、フィニッシュラインを越えるたびに順位が更新されていきます。テレビの前で汗ばんだ手を握りしめ、贔屓のチーム/ドライバーの結果を固唾をのんで待つ瞬間は、年齢を重ねた今でも童心に戻れる瞬間です。
全ドライバーの予選順位が決まれば、まばたきを忘れていた目を休ませながら明日の決勝について考えます。様々な情報を元にどういったレース展開になるのか、各チームどういった戦略を取ってくるのか、贔屓のチーム/ドライバーは入賞できるのか、表彰台に乗れるのか、そういったことを考えながら興奮した頭を落ち着かせていきましょう。
↑サーキットには思い思いのウェアとキャップを身にまとったファンが訪れる。フードトラックや露店も多数出店され賑わう様子が分かる。
4.日曜日
いよいよ決勝です。
日本時間では22時~23時頃にスタートすることが多いので、食事や入浴を済ませ、子どもは昼間にたくさん遊ばせて早めに寝かしつけてしまいます。そして、飲み物(ビールがお勧め)を用意してスタート30分前にはテレビの前に座ります。
当日の気候や、スタート順位の変動、予選に対するドライバーのコメントなど、そういった情報をキャッチアップしながらゆっくりとボルテージをあげていきます。
スタート時間になり、ゆっくりと、そして緊張感を漂わせたフォーメーションラップを終えた各マシンがグリッドに着くと、いよいよレッドシグナルの点灯です。5列のレッドシグナルが1列ずつ点灯していき、最後に全消灯してレーススタートです。
スタートしてからの最初の周をオープニングラップと言いますが、この周は絶対見逃してはいけません。F1の魅力の50%はここに詰まっていると言っていいです。第1コーナーに向けてのトップ争いから始まり、まだタイヤが温まっていない中でコロコロと変わる順位や、密集した中団グループでのマシンの接触、そして場合によってはクラッシュなど、一瞬たりとも目が離せない時間が続きます。
スタートから2、3周もすると順位も落ち着いてきますが、乗り出した身体をソファに戻すのはまだ早いです。クラッシュなどが無くコースコンディションが安定している場合はこのあたりでDRSというシステムが有効化されます。これは簡単にいうと「前車が近いとストレートが速くなる」というシステムです。このDRSによってオーバーテイク(追い抜き)が活発になり、また展開が激しくなっていきます。
とはいえ、10周もするころには順位の変動も落ち着いてくるので、時間がたってぬるくなったビールでも口に含んで一旦身体をソファに預けましょう。
そして、次の見どころであるピットストップに向けて各チームの戦略を予想しながら次の展開を待ちます。
近年のF1では、給油無しでタイヤ交換だけのピットストップが最低1回は義務付けられていますが、各チームではラップタイムの変動(タイヤの劣化で徐々に遅くなる)やライバルチームの動向に合わせて、このピットストップをどのタイミングで行うか、何回行うか、どのタイヤに交換するか、というピット戦略を決めます。
現代F1では戦略が非常に重要で、各チームにはピットストップも含めたレース戦略をコントロールする「ストラテジスト」というポジションがあるくらいです。
そして、最後のピットストップが終わると残りの戦いはコース上のみです。
実は最近はトップが独走するレースが多く、レース終盤は眠くなることも多かったのですが、2021シーズンは違います。(今のところ)
トップチームであるレッドブル・ホンダとメルセデスの実力が拮抗しているため、最後までテレビに釘付けになることが多く、ビールを取りに行くことを忘れるくらいです。
長いレースも終盤に差し掛かり、酔いも醒め始める頃、ついにゴールの瞬間が迫ってきます。
数十周の激戦を制し、トップでチェッカーフラッグを受けるマシンとドライバー。威風堂々とウィニングランを行う姿を見て、レースの興奮が冷めやらぬ頭を落ち着かせつつ、金曜からのレースウィークの満ち足りた充足感を満喫しましょう。
そして中継が終わるまでぼんやりとテレビを眺めてレースの余韻まで味わい尽くしましょう。
↑夕日に浮かぶ順位表。F1ファンならいつのレースか分かるはず。
5. 月曜日
決勝から一夜明けた日本時間の朝方には、翻訳済みのF1記事がニュースサイトにアップされています。レースを思い出しつつ、テレビ中継では映らなかった舞台裏でどんなことがあったのかをキャッチアップしましょう。
6. よりF1を楽しむには
どんなスポーツでも知識が深まることでより楽しめるようになりますが、F1ではそれが顕著です(正直に言うと初心者には面白さがわかりづらい)
特に”主なルール”と”基本的なレース戦略”はある程度把握していないと、初めて見た人は「なにをやっているか良くわからない」=「F1はつまらないもの」という先入観が出来てしまうことが多く、非常にもったいないです。
ご参考までにという形ですが、Yahoo!SportsnaviのF1カテゴリにはそういった情報が非常にシンプルに纏まっていますので、興味が出てきたらまずはこちらに一通り目を通してから観戦すると、よりF1の魅力を感じられると思います。
7.最後に
色々書きましたが、やはり最終的にはF1ファン同士でわいわい語り合うのが一番楽しいです。SNSで実況するのもいいですし、気心が知れた仲間とオンラインで話しながら観戦するのもいいですね。
まだ見通しが立たないこのご時世ですが、おうち時間をさらに充実させるためのツールとしてF1がもっと広まってくれると、いちF1ファンとして嬉しいなと思います。もし興味がある方が居ましたら私が特大の熱量でレクチャーしますので、是非一緒に語り合いましょう!