CEO端羽とデザインチームリーダー成田が「ビザスク」リブランディングの全貌を話します
こんにちは。広報担当の志村です!
今回は今日発表したリブランディングについて、端羽と今回のリブランディングを牽引した成田との対談をお届けします。
本日、ビザスクはリブランディングを行ない、VI(ビジュアルアイデンティティ)およびロゴデザインを刷新しました。
このnoteを通じて、皆さんにリブランディングに込めた思いが伝わりますように!
世の中に正しいビザスクを伝えたい!だから、今こそブランドデザインを刷新する時だ!
ーなぜリブランディングに踏み切ったのですか?
成田:私が最初にリブランディングについて端羽さんに提案したのは、まだColeman社の買収も決まっていない頃でした。ブランドの指針が明確でないためデザイナーの認識もバラバラで、作成したものもトーンが揃っておらず、”ビザスクらしさ”が不明瞭だと感じたことがリブランディングを提案した最初の理由です。
また、社外の方に対してビザスクのイメージ調査を行った結果、ビザスクがブランドとして打ち出したいことと、世の中で認知されているイメージに乖離があることがわかったんです。
ビザスクを実際に活用いただく方からは、サービスや知見の質に対して高い評価をいただいています。一方で、「誰もが自分では気付いていないが貴重な知見を持っていて、それを活かすことができるサービス」という私たちの特長が、「貴重な」の部分が語られないと質の高さが分かりにくい部分がありました。私たちが自信をもっている「質の高さ」がしっかりと伝わるように、新たにブランドイメージを作りたいと強く思いましたね。
端羽:一番驚いたのは、社内のデザイナーの中にも、誤解があったことですね。私が悪かったんですけど。。。私は口癖のように「西海岸にあるデザインコンサルティング会社」のような雰囲気がいい、と伝えていました。東海岸の金融に代表されるような重厚、伝統、といった雰囲気よりは、イノベーティブな側面を強調したいし、同時にコンサルティング会社が持つ、BtoBのプロフェッショナルさ、一流さも大事だ、ぐらいの意味だったんです。西海岸でイメージしていたのも、サンフランシスコ、シリコンバレー、みたいな。
が、フタを開けてみると、西海岸でイメージする都市も違うし、西海岸のせいで、「カジュアル」というキーワードが、ビザスクを現すキーワードの1つとしてデザイナーのワークショップで結論づけられたと聞いて、これは本当に自分の伝え方がダメだったんだ、主観的な印象で力強い単語を一人歩きさせずに、もっとちゃんと言語化しないと、と思いました。
ちょうど具体的に話が進んでいる最中に、Coleman社の買収が決まりました。
そうであれば、Coleman社も統合したグローバルな視点も踏まえて全面的にリブランディングを進めて行こう、世界7拠点が”One Company”として進んでいくためにも、今やるべきだと、より大きなプロジェクトに変わりました。
まずは”ビザスクらしさ”を言語化
ーリブランディングプロジェクトはどんなメンバーで進めたのですか?
成田:今回のリブランディングは、デザイン・イノベーション・ファームであるTakramさんに一貫してお手伝いいただきました。その他の主なプロジェクトメンバーとしては、代表の端羽さんと、私を含めたビザスクのデザインチームです。要所要所、日本やアメリカの経営陣にもインタビューやワークショップに参加してもらいました。
ー具体的に何から始めたのか教えてください。
成田:プロジェクトの最初の2ヶ月はビザスクブランドの中核である「Brand Core」の検討から始まりました。要は、いきなりロゴデザインを決めるのではなく、コンセプトとなる”ビザスクらしさ”を言語化する作業です。
端羽:ビザスクがずっと大切にしてきたミッション 、 ビジョン、バリューを元に、ステークホルダーに対してどのようにコミュニケーションするべきか改めて定義しました。
成田:具体的には、まずTakramさんに市場調査をしていただき、客観的に見たビザスクのサービスや市場の中での立ち位置などを明確化するところからスタート。
次に、経営陣に対してインタビューを行い、「Value Proposition」つまり、クライアントやアドバイザーから見てビザスクがどのような価値提供をしているかという観点を洗い出していきました。
端羽:ここで強くお願いしたのは「今」と、これからさらにどうなりたいかの「未来像」の両方を理解することでした。サービスは進化していくものですから。ここは、Coleman社CEOのKevinにも協力してもらったところですね。
経営陣に対してインタビューしてみてわかったことは、それぞれの立場や扱うサービスの違いによって向き先や表現が若干違うものの、目指しているサービスの方向性、核となるものは一緒で全員大枠でしっかりと共通の認識があったこと。これは嬉しかったです。リブランディングって考え方を変える作業ではなく、正しく言語化し形にするプロセスなんだなとしみじみ思いました。
成田:経営陣の一部も交えたワークショップはプロジェクト全体で2回開催しましたが、最初のワークショップがこれでした。「Value Proposition」を研ぎ澄ますためのワークで、段々と方向性が見えてきましたよね。
端羽:そうですね。最終的に「Global Excellence」とその根拠となる3つの要素がビザスクがクライアントやアドバイザーに対して提供する価値の本質だと定義することができました!
成田:その後も、週一回の定例会議での「Brand Core」を固める作業は続きました。ブランドがあらゆるステークホルダーと接する時の印象を決定づけるブランドの人格「Brand Personality」や、ブランドとしての体験や世界観を表現するために定義する具体的なビジュアルキーワード「Design Drivers」が定義されていき、いよいよデザインに落とし込む工程に移っていきます。
”ビザスクらしさ”をデザインで表現 ここで意見が分かれる・・
ー「Brand Core」が決まって、いよいよここからロゴデザインですね?
成田:そうですね、新たなロゴマークを検討するための要素が揃い、デザインに落とし込むフェーズになったのが、プロジェクト開始から3ヶ月目ごろです。
端羽:前提としてビザスク・Colemanが共通で使えるシンボルマークは必須だと考えてました。ここからシンボルが決まるまでの議論がだいぶかかったよね、笑。でもここはこだわるべきポイントなので形と色に分けて議論を丁寧に進めてもらいました!
成田:ここでどんなデザインの方向性がいいかを定めるために2回目のワークショップを開催しました。デザイナーが参加したくさんのイメージ図や既に世に出ているロゴデザインを用意し、参加者それぞれが”ビザスクらしい”と直感的に思うものを選んでもらったんですが・・
端羽:この結果が、驚くほどバラバラだった・・笑!!
成田:そうなんですよ、あまりに分散してしまい、それぞれの要素を取り入れることが難しいのは明白でした。ここで初心に立ち返り、何を第一優先にすべきだろうと考えました。今回のリブランディングの目的は”ビザスクらしさ”を表現すること。であれば、ビザスクを1から創った端羽さんの思いを形にすることを優先して考えよう、と思いました。
1回目のワークで経営陣と端羽さんの目指すビザスクらしさにギャップはなく、みなさん近い思考であることがわかっていたので、ある意味安心してデザイン段階では創業者の思いを第一優先にできましたね。なので、あえてここから先の議論は基本的に端羽さん、わたし、Takramさんの3者で進めました。
CEO端羽の思う「ビザスク」を鮮明に
ー3者での議論とは具体的にどのように進んだんでしょうか?
端羽:ここから先がだいぶ、Takramさんも間に入ってる成田さんも大変だった、ある意味超印象的なプロセスでしたよね。
成田:そうですね、笑。Takramさんが「Brand Core」を元に色々なデザイン案を出してきてくれたのですが。
端羽さんからは「なんとなく違う...」というフィードバックが続き・・。私も「たしかに何かが違うんだけど、何がだめなのか言語化できず伝えられない!」という思いで、このフェーズは正直苦しかったです(笑)中々目指すものが見えてこなくて迷路状態でしたね。
端羽:そうですね、結局ピンと来るものにたどり着くまで6回くらい提案し直してもらったんだよね?スケジュールも伸ばして検討しました。ここはこだわりたかったので。
ーどうやってピンとくるデザインまで辿り着けたのでしょう?
成田:「なんか違う」を言語化するために、とにかく端羽さんの考えの解像度を上げることに注力しました。「何を目指したいのか」をとことん掘り下げ、それを言語化しイメージを狭めていった感じです。
端羽:自分はいつも創業した時に実現したかったこととして、スティーブ・ジョブズのConnecting the dotsの話をするんです。私たちはConnecting the dotsを、自分だけでなく社会規模で実現するんだっていう思いです。
たくさんの知見がつながってイノベーションを産むし、イノベーションへの挑戦もまた知見となって次の挑戦を支える、これを表して欲しいんだ、と。
しっくりこなかった理由として、前半しか伝わってなかった。後半も大事なんだというのが言語化できていなかったのが大きな反省です。言語化大事。
成田:それでご提案いただいたのが”知見”と”挑戦が”1本の線で繋がり、さらに上に続いていくことを感じさせるこのシンボルなんです。これを見た時、すごい納得感がありましたね。これまでの要望や表現したかったことを全部クリアしている!って。
カラーに込められた意味とは
ー 色はどのように決まったんでしょうか?
端羽:ここもかなりこだわったよね。シンボルの形は極めてシンプルなので、似たような形のシンボルって他にもあると思うんですよね。でもこの3色で表現することで、かなりオリジナリティが出せたと思います。
成田:3色のご提案をTakramさんからいただいた時に、「おお!!!と思いましたね」
端羽:ほんと、3色は考えてなかったからね。本当に「おおお!!!!さすがだ!」と思いましたね。
ーどうしてこの3色に?ブルーはビザスク、赤はColeman、紫は合わせた色、という意味づけをしたのでしょうか。
成田:それが、全くないんです。どちらかというと、既存の赤や青にこだわらず色々な可能性を試して欲しいとTakramさんにはお伝えしていたんですが、これがやっぱりディスカッションしてきた成果ですよね。
Brand Personalityからストレートに、青=知性、紫=信念、赤=探索で3色をご提案いただいて、もう本当に「ストン」と納得というか「これだ!」とびびっときました。
「やっとビザスクさんが私の中から卒業してくれた」
ー最後にお二人がリブランディングを通じて感じたことを教えてください。
成田:「なんか違う」を言語化するのが本当に難しかった、というのが素直な感想です、笑。でも、徹底的に話をする時間を取って、端羽さんが思うことを掘り下げていった先に、ようやく見えてきたこのデザイン。大変だった分、見えた瞬間はすっきりしました。人の頭の中は見えないので、デザインとして形にするために言語化することは今後も大切にしたいなと思いました。
また、このプロジェクトを通じて端羽さんと対話し、ビザスクのブランドに対してこういう意味があったのかという新しい発見もいっぱいありました。自分たちがどういう存在でありたいのかという理解が深まる経験は、デザイナーとしても貴重ですしなかなかできないことでしたね。
端羽:「やっとビザスクさんが私の中から卒業してくれた」という気持ちです!
リブランディングって新しい何かを発見するプロセスではなく、ちゃんと言語化し、認識を揃え、形に昇華していくプロセスなんだなと、改めて思いました。経営陣の認識は揃っていたことを改めて確認できたので、形にするところは存分に思いを伝えることができました(笑)
経営陣それぞれが思うビザスクらしさを改めて認識でき、自分の中の「ビザスクさん」を深掘りしてもらい言葉にして伝え、こうして形にしてもらいました。自分の中だけにいた「ビザスクさん」がやっと卒業していった感覚なんです。
Takramさんからもコメントをいただきました!
新たなブランドデザインと歩む未来
ーリブランディングを経て、この新たなデザインと共に今後実現したいことを教えてください。
端羽:まずは、世界7拠点にこの新しいブランドデザインを浸透させて、改めて自分たちの存在を認識し誇りを持ってプロの仕事をしていくこと。
成田:そうですね、インナーブランディングは大事です。発表した今はスタート地点。ここからが重要です。日本だけでなく海外の拠点にも背景をしっかり伝え、質問会などもできたらいいなと思っています。
端羽:そして、社外の皆さんに正しい”ビザスクらしさ”を広めていくことも、これからの私たちの使命です!
「知見と、挑戦をつなぐ」ビザスクの新しい顔をどうぞよろしくお願いいたします!
プレスリリース:
https://corp.visasq.co.jp/archives/18897
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